≪今月の福音書≫ ルカによる福音書9:18~ (特定7)
それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか
牧師 司祭 シモン 長野 睦
長い聖霊降臨後の期節の聖書日課は「特定」第何番というように指定された箇所を読むように定められています。この「特定」は聖霊降臨日のあと何番目の主日かというより何月何日に最も近い主日かによって決まります。ですから年にとって前後する復活日次第で「特定」の最初の方や最後の方は読まれない年も出てきます。今年は「特定4」から始まりました。
今月選びました福音書は「特定7」の福音書です。この特定7はそのテーマは「信仰」ということです。特祷、使徒書、福音書はいずれも信仰について記しています。特に使徒書で聖パウロはこの信仰について、「信仰が現れる前には」、「しかし信仰が現れたので」というように私たちが一般的に用いる「信仰」の用法ではなく信仰という言葉を主イエス様の存在と全く同じ意味で使用しています。聖パウロにとって「信仰」とはキリストを信じる信仰以外には考えられなかったのでしょう。
福音書で主イエス様は弟子たちに「群衆は私のことを何者だといっているか」とお尋ねになります。これは主イエス様は興味本位で人々のご自身への評判をお尋ねになったのではありません。そうではなく、主イエス様のお確かめになりたかったのは、弟子たちがご自身をどう理解しているかということだったと思います。まさしく聖パウロが信仰という言葉で主イエス様を表現したことを確認しておきたかったのでしょう。そして弟子たちを代表する聖ペテロの「神からのメシアです」という応答を引き出されました。主イエス様が求めておられた答えでした。そしてご自身のこれから受ける受難の予告を話され、それぞれ自分に与えられた十字架を背負って従うことを教えられました。
私たちにもそれぞれの十字架が与えられ、委ねられています。私たちがそれを明確に自覚していようとも、あるいはまだ自覚していなくとも、私たちにはそれぞれの十字架が与えられていると思います。私たちは共に歩んでまいりましょう。
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