今月の福音書
聖ルカによる福音書 1章26節〜
「戸惑いの中で」
牧師 司祭 シモン 長野 睦
私たちは、主の御降誕に備え、御再臨を待ち望む降臨節を過ごしています。
今年もいよいよクリスマスを迎える期節となりました。今年は24日、25日が土曜日、日曜日にあたっておりますので多くの兄弟姉妹と共にクリスマスの礼拝ができるものと思われます。ご一緒にお祝いいたしましょう。
冒頭の箇所は聖マリヤへの天使による受胎告知の場面ですが、この場面は絵画的な印象的なところですので、古来多くの画家たちが好んで取り上げているテーマです。「天使ガブリエルはナザレというガリラヤの町に神から遣わされた」とあります。ナザレという町は聖書によれば、ガリラヤ出身の主イエス様につまづいた人々は「救い主はガリラヤから出るだろうか」と言うつぶやき、また「ナザレから何か良いものが出るだろうか」という軽蔑的な言葉も記録されています。メシア=救い主の出現を期待し、待望していた人々はガリラヤのナザレに注目する人々は一人もありませんでした。そしてマリヤも誰も注目していなかったであろうと思われます。そのようなマリヤが天使の言葉を聴いて戸惑わないはずはありません。クリスマスの出来事はマリヤにとっても、ほとんどの人々にとっても「戸惑い」以外にはありませんでした。その戸惑いの中に神のご計画は進められていったのです。この「戸惑い」は私たちにとっても同じです。私たちはクリスマスの出来事の意味を知らされていますから喜びを持って迎えようとしていますが、もし何も知らされていなかったとしたら、私たちも戸惑う以外には何もなかったことでしょう。
神のご計画は多くの場合、私たちにとって戸惑う場合が多いものです。この戸惑いの中で、時間の経過と共に神のご計画が明らかにされていきます。今私たちが出会っている受け止めることの難しい出来事もそこに神の秘められたご計画のあることを信じつつ受け入れて生きたいと思います。主の御降誕を祝いつつ、主の御再臨を待ち望みながら。
※次回更新は、1月18日(水)頃の予定
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