新しくなった礼拝堂会館および別棟の牧師館は、火災保険に加入しています。
保険金額(災害時に保険会社から支払われる最大額)は礼拝堂会館が8千百万円、牧師館が1千8百万円で合計9千9百万円となります。
建築会計の数字と若干違うのは、古い建物の解体、建築中に使用したプレハブ建物の費用などは火災保険に組み入れられないからです。
保険契約としての礼拝堂と会館は「木造モルタル塗り銅版葺礼拝堂、一部鉄骨防火サイデング鉄板葺一棟419.04㎡」、牧師館は「木骨モルタル塗り金属葺二階建専用住宅一棟98.54㎡」というように表記され、なんとも風情がありません。
古い建物も火災保険を掛けてあって、新しい建物になり価値が上がり面積も増えて保険料(保険会社に支払う金額)は相当高くなると思ったのですが、以前より火に強い建材を使っていることなどにより、ほんの少し増えただけでした。
○聖堂及び会館の火災保険
・保険金額=8,100万円 (全焼した場合に全額保障されます。)
現在新築時の価格を保険金額として契約できていますが、店舗と同じ扱いのため年数が経つと建物の価値とともに掛けられる保険金額がしだいに下がっていきます。
・火災、爆発、落雷などの損害に受け取ることができます。
損害の度合いにより最大で保険金額と同額が支払われますが、地震、噴火、津波などによる損害は 対象外です。
・風災、雷、台風などの損害に支払われますが損害額20万円を超えた場合に、その全額支払われま す。
・水害も付保されます、床上浸水または地面から45cm以上の水没の場合または修理代が保険金額 の3割(2,430万円)を超えた場合に、支払いがあります。
○聖堂及び会館の施設賠償責任 (火災保険のオプションとして契約しています。)
・保険金額=1億円 (対人と対物で免責は千円)
・来場者が建物内で足を滑らせ骨折した場合などに治療費とその人の休業補償などが支払われます。
・屋内の展示物が落下して来場者が怪我を負った場合や、屋根の雨樋や十字架が落下して通行人が怪 我をした場合に賠償されます。
・行事の時に掲げる看板やクリスマスのディスプレイの取付が甘く風によって飛ばされて近所に損害 を与えたり、通行人に怪我を負わせた場合は、保険金が下りると解釈していますが、明確にするた めに「臨時イベント看板等を含む」と保険証券に次回更新時に記載してもらおうと思います。ただ し、想定外の突風たとえば昨年11月に北海道の佐呂間町でおきた竜巻のような場合は、自然災害 と解釈され賠償責任が発生しないので保険金は下りません。
・あまり考えられない事案ですが、会館の厨房でガス爆発により隣の家に損害を与えた場合にも賠償 されます。
○牧師館の火災保険
・保険金額=1,800万円 (全焼した場合に全額保障されます。)
牧師館は一般住宅扱いですので店舗扱いの聖堂会館と違い契約内容を変えなければ、何十年後に全 焼しても、立替が保険金額より少なく済んだとしても1,800万円が支払われます。ただし家財は契 約していません。
・風災、雷、台風などの損害に支払われます。損害額から免責3万円を引いた金額が支払われます。
・水害も付保されます、礼拝堂と同じで床上浸水または地面から45cm以上の水没の場合または修 理代が保険金額の3割(540万円)を超えた場合に、支払いがあります。
保険は使わない方が良いのですが、いざという時に頼りになります。
契約内容を簡単に説明しましたが、本当は複雑で細かい説明をしてある約款を読んでも良く分かりません。保険はどんな場合も例外条項があると思った方が良く、何かあった場合には、保険金が支払われると簡単に言わずに保険会社に確認を取ってから話をする方が良いでしょう。
(静岡聖ペテロ教会信徒 白石伸人)
(※この文章は、2007年3月に教会報に掲載されたものです。)
2005年12月に静岡聖ペテロ教会の聖堂・会館、及び牧師館の建築が完了しました。新しい建物の裏話や古い教会には無かった機能などの話を教会報に連載したのがこのコーナーです。新しい教会をより身近なものとして使用して頂けるいいなぁという気持ちで当初数回の予定でスタートし、2年間に渡り、20回連載しました。原文に訂正加筆を加えながら、ここに連載していきます。
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