≪今月の福音書≫ 聖マルコによる福音書5:22〜(特定8)
主イエス様と共に
牧師 司祭 シモン 長野 睦
死は私たちにとって大きな課題です。死は医学的、生物学的問題以前に信仰的、宗教的テーマであるといえます。聖書にも死に関する記述が多く出てまいります。とくに主イエス様ご自身とその宣教活動は死の事柄と切り離して考える事のできない問題です。
主イエス様は私たちの日常の悩みや苦しみに配慮してくださるのであろうか。また私たちの心をとらえ続けて離さない死の恐れについて解決を与えてくださるのであろうか。私たちがいつも無視しようとしながら実際には捕らわれている死の不安や親しい者との死の別れの恐れについて主イエス様はどのように応えてくださるのであろうか。私たちはこのような事柄に心を煩わせていることが多いものです。
会堂長とはその会堂の管理責任者です。会堂の運営管理や儀式の設定に至るまで最高の責任を持っていたことでしょう。当然のこととして彼は社会的な信用の厚い人物であったことでしょう。このヤイロの娘が病気にかかり、死の恐れすら心配されるとき、彼の心をとらえたのは主イエス様への思いでありました。自分の娘への深い愛情が彼の社会的立場や世間体などというものを一切投げ捨てさせたのです。人の死はすべて悲しいものですが、とりわけ幼い子供の死は痛々しく悲しいものです。親の立場であればなおさら他に比べることのできない悲しみでしょう。その悲しみ、苦しみがヤイロの心に主イエス様への信仰を生み出させたのでしょう。主イエス様は周囲の人々の言葉を聞き流し、無視なさいます。「恐れることはない。ただ信じなさい」と。そして少女への奇跡が成し遂げられたのです。
復活の主イエス・キリストはいつも共にいて大きな力と慰めを与えてくださることを確信いたしましょう。私たちもこの命の主イエス・キリストと共に私たちの人生をともに歩んでまいりたいと思います。
※次回更新は、7月12日(木)頃の予定
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