礼拝堂の後部には、中二階を配しました。
これは昔の礼拝堂や会館にはあまりにも収納スペースが無かったからですが、これを設置することによりエアコンの噴出し口や照明を付ける場所が確保できました。
建築委員会では一時夢が膨らみ、中二階にはパイプオルガンを乗せて、聖歌隊にも上がってもらい、礼拝中は後ろから聖歌が聞こえるように・・・という話をして、司祭に、実際にパイプオルガンの資料を取り寄せてもらったりもしました。しかし、最終的には、ここはこれに使うというような正式決定がなされなかったため、後で加工できるようにと床は合板を張っただけの今の形になりました。
建築途中に、司祭の提案により聖堂後部丸窓にステンドグラスを入れることになったのですが、建築基準法で手すりの最低の高さが決まっているため、この高さだと聖壇に上がって聖堂後部を見上げてもステンドクラスの一部しか見えないことが分かりました。中二階に上がらないとステンドグラスの全景を見ることが出来ないのでは入れる価値が半減しますので、手すりの立上り部分を格子のようなものにして、ステンドグラス全体が会衆席から見えるようにお願いしたところ、清設計事務所さんの計らいで、真ん中に透明の強化ガラスをはめてもらう、今のような形にする事ができました。また中二階の照明には、旧聖堂で古くから使用していた電球グローブをそのまま使用することができました。
中二階からは聖堂の様子が良く見えるため、今後ここにカメラを設置し、会館にモニターを置けば、礼拝を会館で視聴出来たり、録画して結婚式を挙げた方に差し上げることも可能です。また、返済にめどが付き余裕が出てきたらパイプオルガンなどの夢も再燃するかもしれませんね。
中二階に上がるには、折りたたみ式のはしごを設置しました。実際に出来上がって使用してみると、かなり怖いので、その後、手すりをつけてもらい、安全に上り下りできるようになりましたが、子供が一人であがったりすることが簡単には出来ない、折りたたみ式はしごで良かったと思います。
図面の上で想像するのと、実際に出来上がってみるのとでは、やはり違いがあり、途中で変更になる事も出てきたりと、色々と思考を重ねた中二階ということになります。
(静岡聖ペテロ教会信徒 白石伸人)
(※この文章は、2007年5月に教会報に掲載されたものです。)
2005年12月に静岡聖ペテロ教会の聖堂・会館、及び牧師館の建築が完了しました。新しい建物の裏話や古い教会には無かった機能などの話を教会報に連載したのがこのコーナーです。新しい教会をより身近なものとして使用して頂けるいいなぁという気持ちで当初数回の予定でスタートし、2年間に渡り、20回連載しました。原文に訂正加筆を加えながら、ここに連載していきます。
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