古い教会の建物で、最後の数年、クリスマスイブの晩にいつも起きていたことは何だか覚えていらっしゃいますか?
キャンドルサービスが終わり、会館でお茶を飲みながら、談笑している一方で、聖堂では、クリスマス礼拝の準備のために、キャンドルの棚を手早く取りはずして、掃除機をかけ始める作業が始まります。
…と、いきなり、ブレーカーが飛び、真っ暗闇になってしまうのです。キャンドルサービスの最中だったらまったく問題はないのですが、大体そういうときは、電気をつけないので、ブレーカーが飛ぶことは、ありません。台所で電子レンジを使って、照明をあちこち全部つけ、最後の一押しが、掃除機だった…というわけです。
掃除機の、日本第一号は、1931年(昭和6年)で芝浦製作所(東芝)の製品で消費電力は140ワットだったそうです。家庭で使われ始めた昭和40年代の掃除機の消費電力は500ワットと、中宅の技術の時間に習いましたが、家に戻って自宅の掃除機の少雨日電力を調べたら、700ワットだったと記憶しています。現在は1000ワットが一般的ですので、これ一台稼働させるだけでも消費電流は10アンペアになります。次第に、パワフルな掃除機を消費者が求めていった結果ですね。
古い教会は、深夜礼拝で、灯りをつける程度の許容電流の配線しか通してありませんでした。ですから、親ブレーカーは30アンペア程度の容量でしたが、それをいくつかに分けた子ブレーカーは、たしか10アンペアだったと記憶しています。
掃除機が普及し始めた頃は、まだ消費電流が少なく問題なかったのでしょうが、次第に大きな消費電力の掃除機が出てきたために、ブレーカーがポンポンとぶようになったのだと思います。
新しい礼拝堂には、左右の壁に各5箇所、床の左右に各3箇所、祭壇にも左右各2箇所コンセントをつけてもらいました。割と気付いていないのかな…と思うのは、聖堂の床にあるフロアコンセントです。中には、長椅子の下になって使えない状態のものもあります。波型になっているところを横にシフトすると、ぱちんとコンセントが飛出してきます。片付けるときには、またこの波型のところを横にシフトしながら、コンセントを上から押すと、中に入ります。知らなかった…という方は、一度試してみてください。
会館、その他にもコンセントは今までよりも多くつけてもらいましたので、掃除もだいぶ楽になったと思いますが、いかがでしょうか。(静岡聖ペテロ教会信徒 白石伸人)
(※この文章は、2007年10月に教会報に掲載されたものです。)
2005年12月に静岡聖ペテロ教会の聖堂・会館、及び牧師館の建築が完了しました。新しい建物の裏話や古い教会には無かった機能などの話を教会報に連載したのがこのコーナーです。新しい教会をより身近なものとして使用して頂けるいいなぁという気持ちで当初数回の予定でスタートし、2年間に渡り、20回連載しました。原文に訂正加筆を加えながら、ここに連載していきます。
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