≪今月の福音書≫ ヨハネによる福音書20:1-10(復活日)
復活日を迎えて
牧師 司祭 シモン 長野 睦
主イエス・キリストのご復活の日を迎えられましたこと共に感謝いたします。
主イエス・キリストの復活は私たちの信仰の中心です。私たちはこの主のご復活の生命によって生かされ、支えられています。共に感謝いたしましょう。
この福音書は聖ヨハネの福音書ですが、聖ヨハネによれば、マグダラのマリヤは日曜日の朝早く墓に向かいます。金曜日にあわただしく埋葬された主イエス様に会うためです。ユダヤ教のしきたりに従って、土曜日の安息日は何もすることができません。そのため、夜が明けるのを待ちかねて墓に向かいます。しかしそこで主のご遺体がなくなっているのを発見します。そして慌てて弟子たちの所に戻りそのことを告げます。
ペテロともう一人の弟子、おそらくヨハネでしょうが、この三人は主イエス様のご遺体がなくなっていることを確認し、弟子たちは家に帰ってしまいます。マリヤはそのまま墓に居続けました。墓の前に立って声をあげて泣き続けます。このマグダラのマリヤはガリラヤ湖の町マグダラの出身で七つの悪霊を追い出してもらったと他の福音書には記されています。
このマリヤはヨハネによる福音書によればたった一人で墓に来ます。それは生前の主イエス様への固執ということができるかもしれません。しかし、この固執、こだわりが復活の主イエス様の復活の顕現に出会うことを可能にしたということができるでしょう。マリヤの涙はこの顕現を通して癒され、新しい命を与えられました。
泣き続けたマリヤは復活の主との最初の出会いを与えられました。先に墓を覗き込んだ弟子たちは、泣きも立ち止まりもしなかった。弟子たちは主イエス様の遺体がなくなっているという現実に触れ、ただその事実を承認しそのことを受け入れただけでした。私たちも復活の主イエス様に固執し、こだわり続けていきたいと思います。
主のご復活の喜びを共に致しましょう。