静岡聖ペテロ教会(日本聖公会横浜教区)Shizuoka St.Peter's Anglican Church, Shizuoka

TEL054-246-8013 早朝聖餐式 午前7時30分~、午前10時半~ Regular Sunday Services 7:30a.m. / 10:30a.m Eucharist

教会報告巻頭言

「識別」
司祭 エドワード 宇津山 武志


3月6日から大斎節が始まります。以前購読していた『毎日の黙想』という月刊誌の切り抜きから。

ある専門家によると、わたしたちは毎日200くらいの事柄を決断しているそうです。小さな決断もあり、後に深刻な結果をもたらすような大きな決断もあります。いつも正しい判断ができたらなんとすばらしいことでしょう。イエスが語られた、時のしるしを見分けることに関する話は、このことに関連しています。もし神が望んでおられることが分かるなら、もっと楽に決断することができるのに!
神のご意思は神秘でもなければ、はるか彼方のものでもありません。聖書には、霊的現実を理解することは可能なのだと確信させる記述がたくさんあります。マイケル・スキャンラン神父 は、『神のお望みは何?』という著書で、大事な決断を迫られたときに問うべき五つの基本的質問を教えています。
第一の質問。「それは、聖書と教会の伝承と教えによって明らかにされている神の掟に合致しているか?」もしそうでないなら、それは神のお望みではありません。
第二の質問。「それは、個人を回心に導き、聖性に導くものか?」神との関係を深めるような決断をしていくと、キリストにある命が、ますます現実のものとして受け取ることができるようになります。
第三の質問。「それには一貫性があるか?」わたしたちがする決断の多くは、過去の決断に関連しています。もちろん過去の決断が正しかった場合ですが。神は新しい挑戦を与えてくださるかもしれませんし、新しい方向に導かれるかもしれません。しかし、いずれの場合にも、以前に神が語られたことに矛盾しない方法で明らかにされます。
第四の質問。「それを確認できるものがあるか?」決断した後で、神は何らかの確認を与えられます。以前は閉ざされていた扉が開く、必要としていた人材や財源が示される、など。また、信頼できる友人の言葉によって確信が与えられるかもしれません。何かを決断してからその結果を確かめるまでには、もちろん時間がかかります。経験が最適な導き手となるわけではありませんが、結果が評価された経験はそうなります。
第五の質問。「あなたの心は何と言っているか?」心の平安と、精神の結果を混同しないように気をつけなければなりません。頭では肯定していても、心が納得しないなら、決断しても「行き詰まり」を経験するでしょう。神が望んでおられるすべてのことをわたしたちが好きになるということではありません。しかし心の深いところでは、わたしたちは神が望んでおられることをしたいと願っています。
神はかくれんぼをして遊んではおられません。何か重要な決断をするときに神の助けを求めるなら、必ず導いてくださいます。
「父よ、わたしの人生のためにあなたが立ててくださっている計画を信じます。あなたこそ、わたしに最適なものをご存知です。これからしなければならない難しい決断を下す際に、いつも導き助けてください。」(「ルカによる福音書12:54-59」からの黙想)

昔、まだ青年信徒だったわたくしに、遠藤主教(当時は司祭)さまがお話くださった言葉がいつも心にあります。「うっし(そう呼ばれていました)、心に聞こえる声には三つあるんだよ。一つは神さまの声、一つは悪魔の声、もう一つは自分の声。これがよく似ていてなかなか聞き分けられない。だからしっかりお祈りするんだよ。」上に紹介した黙想は、その識別にとても役立つものだと思います。大斎節の歩みの一助に。


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