静岡聖ペテロ教会(日本聖公会横浜教区)Shizuoka St.Peter's Anglican Church, Shizuoka

TEL054-246-8013 早朝聖餐式 午前7時30分~、午前10時半~ Regular Sunday Services 7:30a.m. / 10:30a.m Eucharist

月報聖ペテロ巻頭言

聖霊なる神とともに
司祭 エドワード 宇津山 武志

《イエスは苦難を受けた後、ご自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ。神の国について話された。》(ルカ1:3)
愛する主であり師である方の痛ましい死によって引き裂かれた彼らの心は、復活によって癒やされ、喜びに変わりました。しかしその変化は、指をパチンと鳴らして瞬時に起こったのではなく―それはそれはすごい体験をしたのですから―驚きや恐れ後悔や疑いなど、さまざまな思いが複雑に絡み合っていたであろうことを聖書のさまざまな記述から読み取ることができます。そうしてギュッと固まった心を解きほぐすように、イエスさまは彼らと過ごす日々の中で、それが真実であることを悟らせてくださりました。さらに、神の国について多くのことを語り、復活の意味と彼らに与えられた使命について、彼らの心を耕し、使徒へと成長していく“種”を蒔いてくださったのです。
話は前後しますが、パウロの回心もそう。信仰のゆえとはいえ、強烈な殺意さえ抱いてダマスコへ向かう旅の途中、彼は突然天からの光に照らされ、不思議な声を聞きました。「なぜ、わたしを迫害するのか」。「あなたはどなたですか」と問うパウロに、声の主は「わたしはあなたが迫害しているイエスである」と答えました。こうしてわたしたちには“劇的な回心”として記憶されます。しかし、この出来事によって一旦視力を失った彼は連れの者に伴われてダマスコに入り、三日間飲み食いせずに祈り続けました。そしてアナニアの按手によって視力を取り戻し、洗礼を受け、イエスの弟子に変えられました。彼はすぐにダマスコでイエスは救い主であると語り始めてユダヤ人たちを驚かせますが、本格的な使徒としての歩みはそれからおよそ三年を経てのことでした(ガラテヤ1:16〜18)。
さて、最初の使徒たちに話を戻しましょう。主イエスを天に見送った彼らは言いつけに従って都に留まり聖霊を求めて祈り続けました。こうして主の昇天から十日の後、彼らは聖霊降臨の恵みに与ったのです。それはまさに、よく耕され、種を蒔かれた畑に降り注ぐ雨のように、彼らにとって使徒としての“芽生え”のような出来事でした。
わたしたちにもまた、使徒たちを使徒たらしめた同じ聖霊が注がれています。神さまは、降ったり降らなかったりと定まらない空模様のような気分屋ではありません。わたしたちが使徒職を担っていくのに必要なものを必要なだけ、絶え間なくいつも注いでくださるのです。
聖霊降臨後の期節が始まります。この期節を彩る緑色の祭色は、聖霊によって豊かに成長する神にある命を象徴します。祭壇に、また司祭の祭服にこの色を見るとき、「わたしの信仰をあなたの聖霊によって豊かに萌えたたせてください」と祈ってまいりましょう。

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