静岡聖ペテロ教会(日本聖公会横浜教区)Shizuoka St.Peter's Anglican Church, Shizuoka

TEL054-246-8013 早朝聖餐式 午前7時30分~、午前10時半~ Regular Sunday Services 7:30a.m. / 10:30a.m Eucharist

月報聖ペテロ9月号巻頭言

「恵みはあなたがた一人ひとりと共にあるように。」
牧師 司祭 パウロ 窪田真人


この夏、私は長年の夢であった富士山登山に挑戦しました。40代の目標の一つとして掲げていた願いが叶い、ご来光を仰ぎ、山頂から美しい影富士を眺め、お鉢巡りを終えて無事に下山することができました。その時の感動は、今も心に深く残っています。
しかし、振り返ると、この登山は当日の努力だけで成し遂げられたものではありませんでした。体力づくりを続け、限られた予算の中で装備を整え、天候を調べ、経験者の助言を聞きながら準備を重ねてきたからこそ、安心して山に向かうことができました。そして何より、天候が守られ、体調が支えられ、無事に下山できたことは、神さまの恵みと守りがあったからだと感謝しています。
私たちの人生も、登山によく似ています。目標に向かって歩む中で、思いどおりに進める日ばかりではありません。立ち止まることもあれば、遠回りをすることもあります。しかし、その一歩一歩を神さまはご覧になり、私たちに必要な力を与え、支え続けてくださいます。自分の力だけで歩いていると思っていた道も、後から振り返ると、多くの人の支えと神さまの恵みによって導かれていたことに気づかされます。
9月には敬老会を迎えます。人生の長い道のりを歩んでこられた先輩方は、喜びの日も悲しみの日も、病や試練の時も、主の恵みに支えられて歩んでこられました。その歩みは、私たちにとって信仰の大切な証しです。私たちもまた、その歩みから学び、与えられた今日という日を感謝しながら歩んでいきたいと願います。
聖パウロは手紙の最後に、「主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一人ひとりと共にあるように」と祝福しました。この「一人ひとり」という言葉に、私は深い慰めを覚えます。神さまは私たちを一人ひとり大切に見つめ、それぞれの歩みに必要な恵みを備えてくださいます。その恵みに感謝しながら、これからも主と共に歩んでまいりましょう。

月報聖ペテロ巻頭言8月号

「Qui bene cantat, bis orat」
牧師 司祭 パウロ 窪田真人


「Qui bene cantat, bis orat(よく歌う人は二倍祈る)というラテン語の言葉があります。古代教会の神学者、ヒッポの聖アウグスティヌスの言葉として広く知られています。
この「二倍祈る」という表現は、歌うことが祈りより優れているという意味ではありません。祈りの言葉に旋律が重なることで、理性だけでなく心や感情、そして身体全体をもって神を賛美する祈りとなることを表しています。アウグスティヌスはまた、「歌うことは愛する者のすることである(Cantare amantis est)」とも語っています。神への愛があふれるとき、その思いは歌となり、祈りはより豊かに神へと献げられるのです。
先日、トマス・アクィナス野末裕史さんの逝去者記念聖餐式をおささげしました。生前の野末さんは、私と顔を合わせるたびに、この「Qui bene cantat, bis orat」という言葉を嬉しそうに口にされていました。
それにしても、この日の記念式は実にあたたかな時でした。野末さんを通して初めて出会った方々が、まるで以前からの知己であったかのように語り合い、それぞれが野末さんとの思い出を分かち合い、互いの言葉に耳を傾けていました。その場に流れていたのは、故人を偲ぶ悲しみだけではなく、神が結んでくださった交わりへの感謝でした。一人の信仰者の歩みは、その人だけで終わるものではなく、多くの人の心に愛と祈りを残し、新たな交わりを生み出していくのだと、改めて教えられたように思います。
聖歌は礼拝を彩る音楽ではなく、教会が神に献げる祈りそのものです。一人ひとりの声は決して完璧である必要はありません。心を合わせて歌うとき、私たちの祈りは教会全体の祈りとなり、地上の教会と天に召された聖徒たちとの交わりの中で、神へと献げられます。
これからも、祈ることを喜びとし、チャントや聖歌を通して神を賛美する歩みを大切にしていきたいと思います。一つひとつの聖餐式が、言葉だけでなく歌声によっても神に献げられる豊かな祈りの時となりますように。

2026年8月・9月の予定

8月 

2(日)聖霊降臨後第10主日
聖餐式(7:30/10:30)/日曜学校
第2回オルター研修会・ぶどうの会
6(木)祝日 主イエス変容の日
聖餐式(10:00)
9(日)聖霊降臨後第11主日
聖餐式(10:30吉川司祭)
10(月)小祝日 殉教者執事ローレンス 聖餐式(7:30)
11(火)小祝日 修院長おとめクララ 聖餐式(7:30) 納骨式
15(土)祝日 主の聖母マリヤ日 聖餐式(10:00)
16(日)聖霊降臨後第12主日 聖餐式(7:30/10:30)
沖縄の旅報告(礼拝後)/愛餐会 聖餐式(沼津) 10:30
23(日)聖霊降臨後第13主日 み言葉の礼拝(10:30)
24(月)祝日 使徒聖バルトロマイ日 聖餐式(7:30)
27(木)逝去者記念聖餐式
28(金)小祝日 主教教会博士オーガスチン 聖餐式(7:30)
30(日)聖霊降臨後第14主日 み言葉の礼拝(10:30)

9月
6(日)聖霊降臨後第15主日 聖餐式(7:30/10:30)/日曜学校
敬老の日祝会/教会委員会
13(日)聖霊降臨後第16主日 聖餐式(10:30吉川司祭)
ぶどうの会 / バザー実行委員会
20(日)聖霊降臨後第17主日 聖餐式(7:30/10:30)
信徒記念式
23(水)横浜教区第88(臨時)教区会・主教選挙
24(木)逝去者記念聖餐式 / 教会委員会
27(日)聖霊降臨後第18主日 み言葉の礼拝(10:30)

2026年7月の予定

7月 
5(日)聖霊降臨後第6主日
聖餐式(7:30/10:30)
日曜学校、教会委員会
 バザー献品受付開始
11(土)(小祝日)修院長ベネディクト (7:30)
12(日)聖霊降臨後第7主日
聖餐式(10:30吉川司祭)
18(土)逝去者記念聖餐式・食事会
19(日)聖霊降臨後第8主日
聖餐式(7:30/10:30)
ぶどうの会(オルター研修会)
22(水)(祝日)マグダラの聖マリヤ日(10:00)
23(木)逝去者記念聖餐式(10:00)
26(日)聖霊降臨後第9主日
み言葉の礼拝(10:30)

月報聖ペテロ巻頭言

「教会って、何するところ?」
牧師 司祭 パウロ 窪田真人


近頃、学校帰りの小学生がふらっと教会を訪ねてきて、いろいろな質問をしてくれることがあります。
「この服は何のために着るの?」
「でかい机は何?(祭壇を指して)」
「十字架にはどういう意味があるの?」
本人たちとしては教会見学という感覚ではなく、少し気になる場所を見つけて立ち寄ったくらいなのかもしれません。司祭のことも、おそらく教会の管理人さんくらいに思っているようですが、それはそれでよいことだと思っています。
子どもたちの質問はとても率直です。そして、その質問に答えながら、こちらの方が改めて立ち止まらされます。私たちはなぜ祈るのか。なぜ祭壇があり、十字架を掲げ、礼拝をささげているのか。当たり前になっていることを、もう一度言葉にして受け止め直す機会を与えられています。
また、私は5月から個人的な試みとして、司祭が教会にいる時間だけ教会を開く「オープンチャーチ」を二回ほど行ってみました。特別な催しではなく、祈りたい方、ステンドグラスをみたい方、教会という場所に関心のある方が自由に過ごせる時間です。まだ手探りの段階ですが、教会が地域の中にどのように開かれていけるのかを考える小さな試みでもあります。
長く続く緑の期節。聖霊降臨後の期節は、教会が聖霊を受け、世へ遣わされて生きる期節です。復活祭の喜びや聖霊降臨の出来事を祝ったあと、私たちは再び日常へと戻ります。しかし、それは信仰を特別な日のためだけにしまっておくということではありません。
教会が世へ遣わされるとは、何か大きなことを成し遂げることだけではないのでしょう。教会を訪れた人の声に耳を傾けること。問いに答えること。教会の扉を少し開いてみること。そのような小さな営みの中にも、聖霊の働きはあるのだと思います。