「恵みはあなたがた一人ひとりと共にあるように。」
牧師 司祭 パウロ 窪田真人
この夏、私は長年の夢であった富士山登山に挑戦しました。40代の目標の一つとして掲げていた願いが叶い、ご来光を仰ぎ、山頂から美しい影富士を眺め、お鉢巡りを終えて無事に下山することができました。その時の感動は、今も心に深く残っています。
しかし、振り返ると、この登山は当日の努力だけで成し遂げられたものではありませんでした。体力づくりを続け、限られた予算の中で装備を整え、天候を調べ、経験者の助言を聞きながら準備を重ねてきたからこそ、安心して山に向かうことができました。そして何より、天候が守られ、体調が支えられ、無事に下山できたことは、神さまの恵みと守りがあったからだと感謝しています。
私たちの人生も、登山によく似ています。目標に向かって歩む中で、思いどおりに進める日ばかりではありません。立ち止まることもあれば、遠回りをすることもあります。しかし、その一歩一歩を神さまはご覧になり、私たちに必要な力を与え、支え続けてくださいます。自分の力だけで歩いていると思っていた道も、後から振り返ると、多くの人の支えと神さまの恵みによって導かれていたことに気づかされます。
9月には敬老会を迎えます。人生の長い道のりを歩んでこられた先輩方は、喜びの日も悲しみの日も、病や試練の時も、主の恵みに支えられて歩んでこられました。その歩みは、私たちにとって信仰の大切な証しです。私たちもまた、その歩みから学び、与えられた今日という日を感謝しながら歩んでいきたいと願います。
聖パウロは手紙の最後に、「主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一人ひとりと共にあるように」と祝福しました。この「一人ひとり」という言葉に、私は深い慰めを覚えます。神さまは私たちを一人ひとり大切に見つめ、それぞれの歩みに必要な恵みを備えてくださいます。その恵みに感謝しながら、これからも主と共に歩んでまいりましょう。



