静岡聖ペテロ教会(日本聖公会横浜教区)Shizuoka St.Peter's Anglican Church, Shizuoka

TEL054-246-8013 早朝聖餐式 午前7時30分~、午前10時半~ Regular Sunday Services 7:30a.m. / 10:30a.m Eucharist

月報聖ペテロ9月号巻頭言

聖公会であること
司祭 エドワード 宇津山武志

8月12日(土)横浜聖アンデレ教会で、横浜教区、神奈川県東部の諸教会からなる「東神宣教懇談会」主催の講演会、「ランベス会議の学び(前編)」が行われました。講師は中部教区主教で立教大学総長の西原廉太主教。午前中、所用で横浜にいたこともあり、せっかくの機会と出席してきました。
ランベス会議とは、全聖公会の主教が10年に一度、カンタベリー大主教の招待により一堂に会し、聖公会の課題について話し合われるものです。第1回は1867年。カンタベリー大主教のロンドンの公邸である「ランベス宮殿」で行われたことから、以後ランベス会議と呼ばれますが、アングリカンコミュニオンの成長とともに主教の数が増え、手狭となったため、現在ではケント大学を主な会場として行われています。今回のテーマは2022年に開催された第15回会議についてでした。本来2018年に開催されるはずでしたが、性の問題についての対立から調整がつかず延期、さらにコロナ禍によって延期され4年遅れの開催となりました。簡単に言うと、性の多様性を積極的に捉えようとする英米加を中心とする教会と、聖書に忠実であるべきとするアフリカを中心とする教会の対立です。下は今回の集合写真、どこに誰が写っているのかさっぱりわからないほどですが、実は、アフリカを中心とする反対派の主教たちはこの会議への参加を辞退しました。
神学校では聖公会の歴史を学ぶときに必ず触れられるランベス会議です。今回西原主教さまのお話をうかがって、聖公会がセンシティブな問題となんとかかんとかやりくりしながらの歴史であったことを改めて思い出しました。第一回の主な議題は、アフリカの宣教地(主に英国の植民地)における「一夫多妻制」とどう関わるかということでした。近年「多様性」という言葉がよく用いられます。それは良いことで必要なこととして。しかし、教会の世界への拡がりにおいて、その文化の多様性とは常に緊張感を伴いました。今、その多様性は変化する時代にも強く色づけられます。今回のランベス会議には「神の世界のための神の教会」というタイトルが付されました。一方で、この会議を拒否した教会は「変わりゆく世界に変わることのない福音を」をテーマに、協働して福音宣教に努めています。わたしたちは、どちらが正しい・どちらが間違いと性急に判断すべきではありません。聖書の中に神さまの深いみ思いを探ね、謙虚に、穏やかに歩んでまいりましょう。主の平和、神に栄光!

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