≪今月の福音書≫ マタイによる福音書 ４：１８
神様からの召命
牧師 司祭 シモン 長野 睦
顕現日を終えて、わたしたちは主イエス様のご生涯をともに学んでいきますが、その始めは弟子たちの召命が記されています。このところではシモンとアンデレ、ヤコブとヨハネという二組の兄弟の召命が記されていました。これはヨハネ福音書の召命の記事と異なっていますが、当時からいくつもの伝承があったものと推測されます。いずれにしても主イエス様の身近にあって中心的な働きをした彼らは、聖マタイによれば船の中で網の手入れをしていたときに主イエス様に出会い「わたしについてきなさい」との召命を受けました。この四人の漁師にとって主イエス様との最初の出会いは彼らの日常生活の只中での出来事でした。その生活の中で彼らは召命を受けたのです。
この彼らの召命の延長線上にわたしたちの召命もあると思うのです。もちろんわたしたちは十二弟子としての召命を受けているわけではありませんが、私たちもやはり、それぞれの生活の場の中で主イエス様に出会い、召命を受け、導かれています。決してそれぞれの生活を離れた別の次元で主イエス様に出会い、召されるのではありません。私たちも主イエス様に出会うのは、家庭であり、職場であり、生活している地域であると思うのです。その中で日々新たに、主イエス様と出会い、新たな召命を受けているのです。そしてその出会いの中にあっては常に主イエス様が先立っておられるということ。私たちが応える先に主イエス様の呼びかけがあり、召し出しがあります。具体的な毎日の生活の中で、神が私たちのこの小さな存在と働きを通して神様の御用をなさしめようとしておられることに心を留めたいと思います。この新しい一年も私たちが常に神様の召しだしに応えられるよう努めてまいりたいと思います。
