≪今月の福音書≫ 聖ヨハネによる福音書 16:5～
三位一体の神に支えられて
牧師 司祭 シモン 長野 睦
復活日が過ぎて昇天日、聖霊降臨日、三位一体主日と続き、教会暦は聖霊降臨後の期節に入ります。これは弟子たちにとって、そして私たちにも主イエス様のお姿が見えなくなった現代にまで続く期節です。今月選びました福音書は三位一体主日の福音書ですが、これは弁護者、聖霊が主イエス様を信じるものたちの共同体すなわち教会に与えられという主イエス様の約束の言葉です。これによって主イエス様自らが教会と共にいてくださるということを知らされます。
主イエス様が父なる神のもとに帰ろうとしていることに対して弟子たちは悲しみに満たされていました。そのような弟子たちに対して主イエス様は「実を言うと、私が去っていくのは、あなた方のためになる。わたしが去っていかなければ、弁護者はあなたがたのところに来ないからである」と逆説的な言い方で教えておられます。逆に言えば弁護者が教会に送られるために主イエス様が去っていかれたのだと考えることもできます。すなわち父なる神から御子主イエス・キリストが送られ、その主イエス・キリストから聖霊なる弁護者が送られるということになります。そして、聖霊は御子イエス・キリストを解き明かし、証明する役割を委ねられました。つまり、主イエスも聖霊も全て父なる神から出て、神の愛と御心を人々に解き明かす使命を与えられているのです。
「三位一体」ということは教理的、神学的に考えてまいりますととても難しく、人間の理解や観念で知ることは困難かもしれませんが、要するに、父なる神も御子イエス・キリストも、そして聖霊なる神もその働き、役割において違いはあっても、その本質は一つであるということに尽きると思います。これが三位一体ということをごくごく単純に言い表すことです。私たちはこの三位一体の神によって支えられ守られていることを感謝しつつ、毎日を共に過ごしてまいりたいと思います。
