金持ちとラザロ
牧師 司祭 シモン 長野 睦
この夏は本当に暑い夏でした。ご病人やご高齢の方はつらかったことと思います。この暑さもやっと一息ついたでしょうか。しかし残暑も続きそうです。これからも健康に留意しながら日々を過ごして生きたいと思います。
今月選んだ福音書は、「金持ちとラザロ」の話です。主イエス様は富や財産あるいは所有欲について多くの教えを残しておられますが、特にルカの福音書にはこのことを多く記録しています。
この話は三つの場面に分けることができます。第一は現実のこの世の場景、金持ちとラザロの生活が描かれています。第二の場面は一転して死後の世界に変わります。そこは二人の関係は全く逆転しています。アブラハムと共にいるラザロと喉の渇きに苦しむ金持ち。そして第三の場面に変わります。ラザロを遣わして自分の喉を冷やさしてほしいと言う、この金持ちの願いもアブラハムの強い拒否にあいます。そして最後はまだ生きている自分の兄弟たちにラザロを遣わしてこのような死後の苦しみにあわないように忠告してほしいというものでした。それに対してアブラハムは、彼らにはモーセと預言者―すなわち律法と預言―がいる。と拒否されます。
これは主イエス様が当時のユダヤ人に向けて語っている言葉ですが、今の私たちにも語られているみ言葉であると思います。今わたしたちは、個々人としても教会としても、貧しくはあってもある意味では豊かです。私たちのすべきこと、しなければならないことを本当に考えたいと思います。
聖書はしてはいけないことをしてしまう罪としなければならないことをしない罪についても教えています。わたしたちは今しなければならないことをみ言葉によってともに考えて生きたいと思います。
※次回更新は、10月12日(火)頃の予定