≪今月の福音書≫ マルコによる福音書8:31~ (大斎節第2主日)
大斎節に入ります
牧師 司祭 シモン 長野 睦
今年は復活日が4月5日と比較的早いために大斎は2月18日に大斎始日を迎えます。今年も共に大斎の修養に励み、喜びの復活日をお迎えしたいと思います。
この主日の福音書は主イエス様の3回の受難予告の最初のもので、それぞれの十字架を背負って主イエス様に従うことが命じられています。大斎節の黙想の大きなテーマです。この主日の聖書日課は、それぞれ私たちの人生は私たちが望むこと、信じていることと反するような出来事が記されています。アブラハムはやっと与えられた一人息子を神にささげるよう求められます。聖パウロは神と神の正しさを全て否定するかのようにあらゆる事柄に向かって立っています。艱難、苦しみ、迫害、飢え、裸、危険、剣・・・。自身が受けるであろう苦難を列記しています。福音書ではもっと端的に主イエス様の十字架について述べられています。聖ペテロのいさめに対して主イエス様は「サタン引き下がれ」との厳しいお言葉をもって叱責される。聖ペテロのいさめは人間の願いであり、人間の思いです。しかし主イエス様は全く逆のことを私たちに求められる。「私の後に従いたいものは、自分を捨て、自分の十字架を背負って、私に従いなさい」と。
しかし聖書はこれだけでは終わりません。アブラハムはまさにイサクを捧げようとしたときに犠牲の羊が与えられます。パウロは列挙したさまざまな苦難を通してこそ神の勝利、神の愛を私たちに示しています。主イエス様は十字架の御苦しみと死を通して喜びの復活を与えられます。
キリスト教は受苦日なしに、十字架の聖金曜日なしに復活日を迎えることは出来ません。神は自らの御子をこの地上に降され、共に苦しむことをしてくださった。キリストがご自分の十字架を背負われたからこそ、従うものたちにも「自分の十字架を背負って従いなさい」と命じておられる。大斎節にこのことを深く黙想し、共に喜びの復活日をお迎えしましょう。
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