静岡聖ペテロ教会(日本聖公会横浜教区)Shizuoka St.Peter's Anglican Church, Shizuoka

TEL054-246-8013 早朝聖餐式 午前7時30分~、午前10時半~ Regular Sunday Services 7:30a.m. / 10:30a.m Eucharist

月報聖ペテロ巻頭言

大斎節を迎えて
司祭 エドワード 宇津山 武志

大斎節を迎えました。復活日へと向かうこの四十日間をわたしたちはどのように過ごすように求められているでしょう。「大斎始日の礼拝」は冒頭でこのように簡潔に勧めています。
① 一人ひとりの内なる生活を顧みて悔い改め
② 祈りと断食に励み
③ 自己本位な生き方から解かれて愛の業を行い
④ また神の聖なるみ言葉を熟読し、黙想する
大斎節が信仰生活にとってとても大切だということは、わたしたちが繰り返し聞かされてきたことです。それでも(いや、「だからこそ」と言った方がいいかもしれません)、わたしたちはその大切さを「忘れてはいけない大切なもの」として心にしっかり収め、きちんと整理して本棚に仕舞い込んでしまうのです。さあ、大斎節の意味に立ち返るために、本棚から引っ張り出し、埃を払って紐解いてみましょう。
「悔い改め」とは、神さまに向き直ること。それには内なる生活を顧みることが必要です。神さまはわたしたちに、それぞれの生涯を賭けてご自身が指し示すゴール、すなわち神の国へ向かって歩むようにと願っておられます。以前お話ししたように、神さまはアブラハムに向かって、「わたしにしっかりと従ってきなさい」とではなく、「わたしの前を歩んでいきなさい」とお命じになりました。その道筋には山があったり谷があったり、濃い霧で覆われたりと、行くべき道が見えなくなってしまうことがよくあります。あるいは、勝手に「この道で大丈夫」と早合点してどんどん歩いていってしまうこともあるでしょう。わたしたちは振り返らなければなりません。
祈りは神さまとの対話です。こちらからお話しすることが多いですが、聞く努力も必要です。そもそも、わたしには誰にも見えないけれど、話し相手がいてくださるということです。さらに断食はその方にわたしたちの生活がいかに依存しているかということを思い知らせます。これも時々申し上げますが、大斎節だからといって、お酒やタバコ、大好きなチョコレートといった嗜好品を“我慢”するというのは違います。必要品を断つのです。ただ、現在は医学的に健康に悪影響を及ぼすほどの断食は控えるように指導されています。大斎克己献金はその一つの手段です。例として、おかずを一品減らし、それを克己の果実としてお献げするという方法もあります。だから、イースターの前日にお札をという使い方はしないで、ぜひ封筒についている穴を利用してください。
自己本位(自己中心)は、神さまの王座を横取りすることです。王座は神さまにお返ししましょう。すると、王座の周りにいる人々が、大切なきょうだいであることに気づきます。きょうだいの困窮・必要を見過ごしにはできません。互いに愛をもって支え合うとき、そこに神の国の先駆けが生まれます。人々はそれを見ます。それが福音宣教です。
さて、わたしたちは神さまに振り返り、神さまに聴くことが大事だと申しました。神さまの答えの多くは聖書の中に示されています。スッと解ることも、なかなか腑に落ちないこともあります。そのためにわたしたちは黙想をするのです。信仰の先達の思索に耳を傾けることも重要です。いい本を見つけ、大斎節の四十日間をかけてゆっくりと読み進めていくのもいいでしょう。充実した大斎節を過ごし、喜びに満ち溢れた復活日をともに祝いましょう。
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