静岡聖ペテロ教会(日本聖公会横浜教区)Shizuoka St.Peter's Anglican Church, Shizuoka

TEL054-246-8013 早朝聖餐式 午前7時30分~、午前10時半~ Regular Sunday Services 7:30a.m. / 10:30a.m Eucharist

月報聖ペテロ巻頭言

神は生きておられる
司祭 エドワード 宇津山武志

12月25日、わたくしたちの教会にとって念願だったステンドグラスが完成、奉献されました。作品のデザインにあたって、制作者のかわもとさんには、テーマとなる聖句として「ゼブルンの地とナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダン川のかなたの地、異邦人のガリラヤ、暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」(マタイ4:15)をお伝えしました。イエスさまは福音宣教の多くの日々をガリラヤ湖畔の町カファルナウムに居を定めて過ごされました。ここから西に丘を登ると湖を一望できます。この丘で、イエスさまは“山上の垂訓”と呼ばれるみ言葉をもって、神の愛の広さ・深さを人々の心に語り聞かせました。病み人を癒し、飢え渇く人を天の糧をもって養ってくださりました。また、イエスさまご自身も、岸に打ち寄せる波音、鳥のさえずり、草花の薫る風を感じながら、天の御父のみ心を探ねて祈りを深めまられました。ペトロはここで弟子として召し出され、やがて「わたしの羊を飼いなさい」と命じられました。ここに集う人々が、あたかもその時と場所をともにするような空間にしたいと、無理な注文をかたちにしていただきました。心から感謝しています。
牧師の特権は、いろいろな時間にこの窓を通して差し込む光の中に身を置くことができるということです。この窓が設置されてまだ数日ですが、気がついたことがあります。制作の過程で、製作者とわたしたちは、それぞれのイメージを紙に描いた図案(スケッチ)をもとに擦り合わせていきます。そこで共有できるのは、一枚の写真のように切り取った一瞬の風景です。これをもとに作られ、あるべき場所にはめ込まれる。すると、その表情が時々刻々と変わるということです。今までだって、時間によって、季節によって差し込む光は違ったはずなのに、そこにはあまり心が向かいませんでした。それが一変したのです。夜明けから夕暮れへ、時間の経過とともに、新しい表情をもって心に語りかけるのです。
自然が移ろうということを、当然分かってはいたのですが、それを視覚的にあらためて示していただいた気がします。神さまのお働きも、わたしたちは何かこうひとつの作品のように、キャンバスに描かれ、額に入れて飾られる絵のように、静止画のように切り取ってイメージしがちなのかなと考えを巡らせました。生ける神のお働きはもっとダイナミックで躍動的で、わたしたちの想像をはるかに超えているに違いないと感じられるようになりました。
祝福式でわたしたちはこう祈りました。「神よ、あなたは栄光の輝きによって世を満たされます。…これを通して無数の光が輝くように、わたしたちももろもろの恵みを受けて、おのおの主の栄光を現すことができるようにしてください。」
神は生きておられる。この確信を新たにし、福音の証し人として生きていけますように。

静岡聖ペテロ教会HPへ
facebook twitter