新しい教会の屋根は、古い礼拝堂の切妻構造で教会としての表徴(象徴)や、寄り集う家としてのイメージを引き継いだ形となりました。
古い聖堂には明り取りがなく、礼拝堂は暗いイメージがありました。そのため、新しい聖堂には小屋根を8箇所設け、そこに明り取りの窓を配しました。外観のシンプルな感じがなくならないように、小屋根を設けずに屋根と同じ角度でガラス窓を取付ける方法もありましたが、この方法だと庇が無いので夏にこの窓の真下に直射日光が当り暑くてそこには居られません。そこで、今のような、庇をつけた構造にしました。
また、この明り取りの窓は、消防法では排煙装置となります。
排煙装置は火事になった場合、救助したくても煙で中が見えないような時に煙を外に出す為に設置されています。そのため排煙装置は電気が切れても開くように、手動式となっていて、窓の真下のチェーンで開閉を行います。
排煙装置は、自然排気が基本で、空気の重さの違いが煙を外に押し出します。従って開口部が高い位置にあるほど排気効率が良く、風通しが良くなるのです。
夏、あまりにも暑い時は冷房も必要ですが、それ程でも無く雨が降っていなければ、この窓を開けるだけで、涼しくなるはずです。
(静岡聖ペテロ教会信徒 白石伸人)
2005年12月に静岡聖ペテロ教会の聖堂・会館、及び牧師館の建築が完了しました。新しい建物の裏話や古い教会には無かった機能などの話を教会報に連載したのがこのコーナーです。新しい教会をより身近なものとして使用して頂けるいいなぁという気持ちで当初数回の予定でスタートし、2年間に渡り、20回連載しました。原文に訂正加筆を加えながら、ここに連載していきます。
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